Seven Seas

妖艶なサガリバナのひみつとは?

LINEで送る
Pocket

 

 

KOKOの独り言… 7月17日

妖艶なサガリバナのひみつとは?

 

 

コーディネーターのKOKOです。

 

サガリバナという花の名を聞いたことがありますか?

 

熱帯・亜熱帯地方の樹木で、主に6月~8月ころ、夜のうちに花を咲かせ、よく朝、日が上るころには落ちてしまうという一夜限りの妖艶な花です。

 

もともと宮古島には自生していませんでしたが、植樹され、今では、時期になると、夜ライトアップされ、島の方も観光の方もサガリバナ鑑賞に訪れる場所もあります。

 

セブンシーズ事務所のベランダでは、10年以上前から2本のサガリバナを栽培し、毎年花を咲かせています。

時々3月ころや、12月にも咲く時がありますが、やはり、7月の今、花盛りです。

 

(C) SevenSeasMiyakojima

 

光を当てて写真を撮ると、やっぱりきれいですね~。

 

植物は、次の世代を残すために様々な工夫をして花を咲かせますが、熱帯・亜熱帯地方の植物の中に、夜に咲く花があるのは、日中花を咲かせると、暑さと日差しですぐに萎れ、受粉してもらえるタイミングを逸してしまうからです。

 

夜にも受粉を助ける虫はいますが、虫は視力が悪く、夜は紫外線もほぼ出ていないので、花がよく見えないでしょう。

 

ところが、虫の触角には匂いを検知するするどい感覚器があるので、匂いには敏感。

 

そのため、夜に咲くサガリバナからは、バニラのような甘くて強い香りがするのです。

 

ちなみに、朝早めであれば、明るい時のサガリバナも見ることができます。

 

朝のゴミ出しの前にパシャリ!

 

(C) SevenSeasMiyakojima

 

このあと、ポト、ポトと1つずつ花が下に落ちます。

 

西表島や石垣島など、自生しているサガリバナは汽水域の水辺の近くなので、その花が川などに落ちて水面に漂い、それも雰囲気があります。

 

ちなみにセブンシーズの事務所ベランダに落ちた花は、まだ匂いが強いので、ほっておくと、アリが寄ってきてしまいますので、早めに回収しています。

 

花が咲く前の様子はこんな感じ。

 

(C) SevenSeasMiyakojima

 

これを見て、「ああ、今晩これが咲くね」とちょっと楽しみになります。

 

上の写真の右は咲き終わって花が落ちたあと。真ん中からびよ~んと伸びているのはメシベです。

 

花が落ちた後、だんだん実が膨らんでこんな感じになります。

 

(C) SevenSeasMiyakojima

 

この果実、実は毒があるといわれています。

 

こういった有毒の果実を集めてすりつぶし、魚を採るという「魚毒漁」という方法があり、それに利用されているようです。

 

東南アジアなどではまだやられていますが、日本では禁止されています。

 

沖縄の果実にも有毒なものが結構あるので、以前は魚毒漁が行われていたようですね。

 

どの程度の毒か、詳しくはわかりませんが、サガリバナの果実は食べない方がよいですね。

 

夜、美しく咲いて、そのあとが毒がある・・・、なんて、やっぱり「妖艶」という言葉がぴったりじゃないですか。

この記事を書いた人

KOKO(コーディネーター)

天皇陛下の日本山岳会入会にも尽力した同会元会長の父の影響で、学生時代から登山やスキーを行う。外資系会社を経て、通訳を兼ねながら生物学者・故ジャックモイヤー氏と共に海辺の環境教育を行ったり、旅行会社にてエコツアー企画を担当し日本にインド洋のクリスマス島を紹介するなどエコツアー・環境教育の現場の最先端を走り続ける第一線ネイチャーガイド。現在は宮古諸島において、エコツーリズムの普及や海辺の環境保全に尽力している。 [資格等]

この著者の記事一覧

コメントは受け付けていません。

LINEで送る
Pocket

SHARE
PAGE TOP