沖縄県水上安全条例 と スノーケリング
※普段、セブンシーズではシュノーケリングと呼びますが、条例ではスノーケリングと明記されていますので、条例に関する当記事ではスノーケリングと記載します。
セブンシーズ チーフガイドのJUNです。
昨年、沖縄県の水上安全条例が改正(2021年3月31日改正)されました。
今日は、沖縄県内でマリンレジャー(特にスノーケリング業)を営む方向けと、旅行でスノーケリングに参加する方向けに、沖縄県の水上安全条例とスノーケリングに関して少し解説していきたいと思います。
目次
水上安全条例
以前にも書いていますが、まずは水上安全条例って何?というお話しから!
沖縄県には水難事故防止のために、沖縄県水難事故の防止及び遊泳者等の安全の確保等に関する条例(以下:水上安全条例)という条例があります。
これは、平成5年10月に作られた沖縄県条例です。
名前の通り、マリンレジャーでの水難事故が多かった沖縄県において、水難事故を減らすために作られました。
(マリンレジャーをする絶対数、分母が多いので割合的には多いとは言い切れませんが、もちろん事故は0の方が良いですよね)
「県の条例でしょ!守らなくたって・・・」と思っていたら大間違い! 民法や刑法、刑事訴訟法、民事訴訟法、税法なんかとならぶ、立派な法で、今は罰則規定もあるんです!!!
スノーケリング業
その水上安全条例で、スノーケリング業を営むスノーケリング業者は事業を営もうとする日の10日前までに、公安委員会に届け出なければならない!と明記されています。
要はスノーケリングをするお店は、営業開始前に届出をしなければなりませんよ、ということです。
なので、スノーケリングを営む事業所さんはしっかり届出をしてください。
旅行でスノーケリングに参加する方は、申し込むお店がしっかり届出をしている事業所さんか確認して申し込んでください。
どうやって確認するかというと、沖縄県警のホームページで確認できます。
※リストはリアルタイム更新ではありませんので、新しいお店は届出をしていてもリストに載っていない場合があります。
スノーケリングガイドに必要な資格
最近、資格に関して質問されたもので不思議なものや、事業運営が問題となる可能性があるものは
Q. 「OMSBスノーケリングガイドを取ってビーチからツアーをしていますが、ボートでツアーをする場合にはPADIスノーケルガイドが必要と言われました・・・」
A. どちらも、公安委員会がスノーケリングに関する知識及び能力を持つ者として認めた資格ですので、どちらの資格でもビーチ・ボート含めスノーケリングのガイドをできます。
でも、資格によって出来ることに少し違いもあるので、それは少し後で・・・
Q. 「PADIの保険は使えないって言われました・・・」
A. いえいえ、しっかり基準を守って、基準の範囲内でツアーを実施する場合は、とても有効な保険です。
車の保険も無免許運転では当然使えませんよね。
PADIに限らずルール(PADIでは基準)を守らなければ、それぞれの保険は適応外となるのは当然ですから、ご自身が実施したいツアーと、取得を考えている資格で出来る範囲があっているかをしっかり確認して資格取得をしてください。
PADIスノーケルガイドでできない事は、もう少し後に・・・
Q. 「○○の資格は良くて、△△の資格は駄目って言われました・・・」
A. いえいえ、公安委員会がスノーケリングに関する知識及び能力を持つ者として認めた資格であれば、どの資格でないといけないということはありません。
ダイビングでも、この指導団体は良くないなんてことはありませんよね?
OMSBも、PADIも、それ以外の資格でも、要はしっかりスノーケリングに関する知識及び能力を身に付けられれば、どの資格でもガイドに問題があるとは思いません。
ただ、どの指導団体でもしっかりとした講習を実施しないお店はあるものです。
どの資格を取るかより、どこで資格を取るかの方が重要だと思います。
安全なツアー実施のため、指導者養成の経験が豊かで、しっかりとした講習を実施していると評判のお店を選んで受講・資格取得して下さい。
ガイド資格を発行するお店さんは、何か起こった際にはこの認定講習までさかのぼって調査されるケースが多く、そのガイドも、ガイドを認定したインストラクターも、問題になる可能性があることを知っておかなければなりません。(私たちインストラクタートレーナー資格を有する者は、その責任を忘れずに指導者養成をおこなうよう心がけています)
もう一つのポイントは、資格によって出来ることの違いです。
スノーケリング業には、スノーケリングや、スキンダイビング、フリーダイビングなど「スノーケルを使用する潜水業以外の全ての業種」ですが、実はガイドの資格によって出来るものが異なります。
例えば、PADIスノーケルガイド資格では「⽇本では、スノーケル・ガイドはスノーケラーにスキン・ダイビングを実施させることはできません」「⽇本国内で実施の場合にはライフジャケットまたはスノーケリング⽤ベスト(浮⼒補助具)の使⽤は必須」となっています。
PADIスノーケルガイドのガイドで、スキンダイビングやフリーダイビングを実施し、参加者が怪我などした場合、ガイドは明確な意思によるPADI基準違反ですからPADIの保険は使用できない可能性が限りなく高くなります。(PADIに確認済)
OMSBスノーケリングガイド資格でも「スキンダイビング及びフリーダイビングツアー実行はできない」となっています。
OMSBスノーケリングガイドのガイドで、スキンダイビングやフリーダイビングを実施し、参加者が怪我などした場合、保険が使用できるかはツアーを実施するお店の加入している保険により異なります。(現在OMSBは保険の提供がありません)
では、スキンダイビングやフリーダイビングを実施できるのは、どんな資格を持っているガイドなのか?というと、各ダイビング指導団体のインストラクター(またはダイブマスター等のリーダーレベル)資格と、必要に応じてスキンダイビングやフリーダイビングの指導資格(そういった資格がある指導団体の場合)を持っているガイドということになります。(スキンダイビングやフリーダイビングの指導できる資格は指導団体によって異なりますので、直接指導団体か、各団体のインストラクターにお問い合わせください)
※沖縄県警のホームページの「届出に必要な書類一覧」や「届出様式記載例」から、ライフジャケットを着せずにツアーをおこなうと、条例違反に該当する場合があると以前の記事で書いておりますが、実際の届出時に相談すると個別に対応してくれるようになっていますので、沖縄県で「スキンダイビング、フリーダイビング」の事業は届出ができないということではないようです。
旅行でスノーケリングに参加する方(特にスキンダイビングやフリーダイビングをする方)は、申し込む前にガイドの持っている資格を確認して申し込んでください。
ガイド資格がないガイドのツアーだと、怪我などした場合に保険が使えなかったり、保証されない可能性が高くなります。
指導団体によって異なりますが、少なからずスキンダイビングやフリーダイビングをガイドできる資格は最低でもダイブマスターということになりますから、ウミガメを見に潜るなんてのも、ダイブマスター以上がガイドでないと安全だとは言えません。
もちろん、ガイドの保有資格を明確に答えてくれないお店は選ぶべきではありません。
それ以前に、知床の事故のようにルールを守れないお店が安全なツアーができるのかという話にもなります。
せっかくの旅行ですから、楽しいまま旅行を終われるように、お店選びはしっかりして楽しんでください。
資格整備
ただ、ダイブマスター以上の資格を整備するにも、現状スノーケリングを実施するには、先だって潜らないツアーを開催できる資格の整備から、スキルアップ、ステップアップしていくのが良いかもしれません。
もちろんご自身でツアーを主催するにしても、全く勤務経験がない人は、まずしっかり既存のしっかりしたお店に勤務しながら経験を積んでいく事が重要ではありますが・・・(先輩ガイドの元で実務経験がないガイドは実際の流れなどわからないでしょうし・・・実務経験は必須です!)
既存のしっかりしたお店での勤務にも、当然資格は必要なのですから!
セブンシーズではOMSBスノーケリングガイドとPADIスノーケルガイドの資格整備を実施しています。
OMSBスノーケリングガイド講習に関しては、下の記事か、OMSBスノーケリングガイド講習詳細からご確認ください。
PADIスノーケルガイド講習に関しても、下の記事からご確認ください。
※OMSBスノーケリングガイドとPADIスノーケルガイドの違いは各講習詳細ページの「よくある質問」でご覧いただけます。
※各講習の参加資格は各講習詳細ページの「参加資格」でご確認ください。
OMSBスノーケリングガイド
「OMSBスノーケリングガイド」はスノーケリング事業を行うに際してガイドを実施するのに必要な知識・技能があることを認定する資格です。
沖縄県の条例でスノーケリング業・プレジャーボート提供業などを申請する際に必要となる資格です。
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