宮古島ってどんな島?(御嶽 うたき)
コーディネーターのKOKOです。
宮古島をめぐっていると、不思議に木がこんもりしている場所や、コンクリートや岩がぽつんと置かれている空間を見ることがあります。
その多くは、御嶽(うたき)と呼ばれる聖域で、勝手に入ってはいけない場所が多いので注意が必要です。
沖縄県外の地域ではあまり馴染みのない存在なので、琉球の信仰と御嶽(うたき)についてご説明しますね。
目次
祭祀と日々の生活
琉球の信仰は、自然の山や木、海などに神が宿っているという考えで、祖先の霊を非常にうやまう「祖霊信仰」です。
琉球の信仰については、以下のページを参照してください。
豊作を祈り、豊漁を祈り、台風の被害が少ないことを祈り、津波が来ないことを祈り、雨ごい、航海安全、子孫繁栄、収穫を感謝、地下水に感謝する・・・など、日々の生活において、神々へ祈ること、感謝することは欠かせないことなのです。
そのため、身近な場所で神々への祈り、感謝を行うことが自然発生的に生まれ、その祭祀を行う場所は、沖縄では御嶽(うたき)とよばれています。
御嶽(うたき)とは
御嶽(うたき)とは、沖縄にある聖地です。
古くから、豊作、豊漁、航海安全、安産祈願など神に祈る祭祀が多く、その場所として、自然発生的に生まれました。
祭祀は頻繁に行うため、御嶽(うたき)は必然的に集落の中、家の近所にあったのです。
昔は車など交通機関がなかったので、そのたびに遠くに行くことは難しかったのでしょうね。
そのため、沖縄にある御嶽(うたき)の数は大きいものから小さい規模のものまで非常に多く、宮古諸島には900近くあると言われています。
それぞれの御嶽(うたき)には、島の創造神、氏神さま、歴史上の人物、精霊など様々な神が祭られていてます。
神が祭られているというと、神社をイメージしますが、神様として像をまつる本堂などはなく、神が舞い降りる場所、お米や線香などをお供えするイビ(香炉)があるだけの場所も多いです。
このイビは、石灰岩の岩であったり、コンクリートで作られたものであることもあります。
御嶽(うたき)に入ってもよい?
神社は、その土地の人だけでなく、遠くから来てお参りをすることもありますが、御嶽(うたき)は違います。
祭祀を行う人たちは、その集落の人々や血縁者だけで、御嶽(うたき)の中へは、祭祀を行う時以外入ってはいけないとされています。
有名な御嶽(うたき)で、お賽銭箱などがありお参りができるところもありますが、集落の人でも決まった時にしか入れない場所も多いです。
わかりやすい看板がないところがほとんどなので、知らずに入ってしまうこともあるかもしれませんが、立ち入り禁止の場合も多いので、よくわからない場合は入らない方がよいですね。
御嶽(うたき)でのタブー
御嶽(うたき)への信仰は、「自然の山、木、海に神が宿っている。生命が自然界と人間社会を循環している」という思想に基づいています。
なので、御嶽(うたき)の領域に生えている植物を勝手に切ったりすることはできません。
そのため、領域の広い御嶽のまわりには、昔からその土地に生えている植生が残り、御嶽林(うたきりん)と呼ばれています。
なぜ、御嶽(うたき)に鳥居がある?
鳥居がある御嶽(うたき)を結構見かけます。
でも、これは、明治維新以降、日本政府が「神を祭っているのであれば神社と同じ」ということで、強制的につけさせたもので、もともとあったものではないのです。
そのため、沖縄本島では戦後、鳥居が撤去された場所が多いようです。
自分たちは日本人というより琉球人という意識が高いからかもしれません。
一方、宮古島では、設置された鳥居は今でも全てそのままにしてありますし、「~神社」と呼ばれている場所もあるんです。
宮古島の人々の心の中には、自分たちは「琉球人、というより、日本人」という感覚があるのかもしれませんね。
次回は御嶽(うたき)で祭祀を行う女性についてご紹介
次の機会には、宮古島の御嶽(うたき)で祭祀を行う女性についてご紹介しますね。
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