宮古島ってどんな島?(ハーリー海神祭)
コーディネーターのKOKOです。
宮古島では、集落や地域によって、行われる祭事の内容や時期が様々です。
もともと集落は地下水などを得やすい場所に作られていて、それぞれが離れていたため、独自の文化や祭事が生まれたのではないかと思います。上水道設備ができるずっと前の話ですからね。
そのため、同じ島の中でも、ことばや習慣も違ったりして面白いです。
そんな中、島中で一斉に行われる祭事の代表的なものは、海神祭です。
ここ2年、新型コロナウィルスの影響で中止が続いていますが・・・
今日は、この海神祭についてお話ししますね。
目次
海神祭とは
海神祭は、海の神様に感謝し、豊漁や航海安全を願う伝統のお祭りです。
海の恵みを存分に受け、海と共に暮らしてきた宮古島の人々にとっては、とても大事な祭事です。
主に旧暦の5月4日(ユッカヌヒー)、宮古島各地の漁港で行われます。
各漁港によってやり方は少し違いますが、まず早朝の「ウガン(御神)バーリー」。
大漁旗をかかげた漁船が次々と海の神様へお参りに行きます。
それから「サバニ」と呼ばれる古くから使われていた木造の小型船を使って、集落の団体や婦人会、小中学校生や地元企業対抗レースなどが行われて盛り上がるのです。
ハーリーの起源は?
ハーリーの起源はいつごろでしょうか?
琉球王国が誕生する以前、1400年ごろ中国から伝わったのではないか、といわれていますが、中国に留学していた南山王が船を造らせて豊見城城下の漫湖で遊覧したとか、中国から来た通訳が平和を祈願してハーリー船を作ったとか、諸説あるようです。
琉球王国になってからも国家安泰を願う一大行事として長年続いていましたが、明治時代に琉球から沖縄県となり、1905年にハーリーは消滅しました。
その後、第二次世界大戦後に沖縄が日本に返還されたあとの1975年にハーリーが復活、現在は沖縄各地でそれぞれ特徴のある行事となって地域一体となり各地で盛り上がっています。
宮古島の海神祭あれこれ
宮古島各地でのハーリーの祝い方は様々です。
伊良部島ではカツオが大漁の時、住民に大盤ぶるまいすることを「オーバンマイ」と呼んでいて、ハーリーの時には、漁港につけた漁船の上から盛大にカツオの切り身を投げるんです。それをみんなで必死に拾うというイベントがあります。
池間島では、カツオではなくて、漁船からお菓子や果物を子どもたちに巻く「エサ巻き」があります。ゴーグルをつけたりビニールをかかえた子どもたちは大はしゃぎです。
明治時代に糸満から来た漁師からハーリーが伝えられた久松では、獅子舞が披露されます。
あと、エイサーやクイチャーなどの踊り、奉納相撲が行われる場所もあります。
転覆ハーリー
ハーリーのレースの中で、漕ぐだけでなく、わざと転覆させて起き上がるレースもあります。
サバニは、とても不安定で大きな波があると簡単に転覆します。
実際、漁の時に強風や荒海の中転覆することもあったと思いますが、その時素早く船を起こして中の水をかき出すこと技術が必要だったのでしょう。
その技を見せるのが、転覆ハーリー。
乗っている人たちは、体力も消耗するし大変なのですが、見ている方は笑っちゃいます。
ドラゴンボートレース
サバニ発祥の国、中国では、旧暦5月5日に、前と後ろにドラゴンの装飾をほどこした長細い船、ドラゴンボートのレースが各地行われます。
紀元前300年ころ、入水自殺をした中国の政治家、屈原(くつげん)の身体が竜や魚におそわれないよう、漁民が太鼓を打ち鳴らして追い払った、というところから、ドラゴンボートには漕ぎ手以外に太鼓をたたく人が乗るそうです。
今はスポーツとしてドラゴンボートレースの世界大会もあるんです。
沖縄のハーリーでは、那覇で行われる那覇ハーリーでドラゴンボートが使われます。
普通のサバニは漕ぎ手が10名、かじ取り1名が乗りますが、那覇ハーリーの船にはなんと42名も乗ります。
首と尾に龍(ドラゴン)の装飾がある大きな船で、漕ぎ手やかじ取りのほかに、鐘うちや旗持ちも乗るのです。
子どもに伝統を引き継ぐ
島の伝統行事である海神祭は、地域にとってもとても大事な行事。次の世代を担う子どもたちにも受け継いでいかなくてはなりません。
そのため、子どもたちも参加しやすく、楽しめるような工夫がたくさん。学校行事として参加している地域も多いです。
池間島では、小学生によるサバニの綱引き、水泳大会、エサ巻き、宝探しなど盛りだくさんあります。
海の神様に感謝をすることはもちろん、地域愛を育てることにもなっていると思います。
次回は宮古島のおススメのお土産についてご紹介
次の機会には宮古島でおススメのお土産ついてお話ししたいと思います。
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