安全にマリンレジャーで遊ぶためには? 家に帰るまでが旅行です Part2
セブンシーズ チーフガイドのJUNです。
子どもの時に遠足などで、先生に「お家に帰るまでが遠足ですよ~」と言われたのを覚えていますが、筆者以外にも言われた記憶がある方もおられるのではないでしょうか?
「楽しい遠足も、学校から自宅に帰るまでに事故などにあうと一瞬で楽しい遠足ではなくなってしまいます。」という事が言いたいのだと思いますが、これは遠足に限ったことではなく、普通の旅行でも言えることではないでしょうか?
せっかくの楽しい旅行も、大きな事故にあってしまったら、一瞬で楽しい旅行ではなくなってしまいます。
そんな中で、宮古島在住の方向けに「安全にマリンレジャーを楽しむためには」と言った話を宮古テレビでの報道番組でお話をさせていただき、それが放送されました。
宮古テレビは、島内だけで放送されるケーブルテレビで、宮古島以外では見れません。(この報道番組も宮古テレビ公式Youtubeなどにもアップされる予定はありません)
そして、内容的には宮古島在住の方だけの内容ではなく、観光で来られた方にも参考になる内容だと思いますので、お話した内容に+αして、ここで改めて投稿しておきたいと思います。
目次
一番安全にマリンレジャーを楽しむためには
一番安全にマリンレジャーを楽しむためには、ガイド付きのツアーを利用してください。
ガイドは皆さんを安全に案内するために、自分たちのフィールドの中で、その日ベストなポイント、ベストなコース取りをして、皆さんを案内しています。
その、ポイントやコースを決める判断のもとになっているのが、風、波、うねり、流れ、潮の干満、過去のトラブル事例などです。
それらによって、ベストなポイント、ベストなコース取りを判断することは簡単ではありません。
なので、一番安全にマリンレジャーを楽しむためには、ガイド付きのツアーを利用していただくこととなるわけです。
ガイド付きツアーで安全に遊ぶポイント
でも、ガイド付きのツアーでも事故は起こってますよね? 少し前に安全なお店の選び方も紹介していますので、そちらもご覧ください。
そして、「安全なお店のガイド付きツアーなら何しても大丈夫!」という訳ではありません。
ガイド付きツアーで安全に遊ぶためのポイント
1.お酒を飲んだら海には入れません(海に入らないカヤックやSUPのみも参加できません)
2.二日酔いも厳禁です
3.寝不足、体調不良も参加NGです
前の日の、お食事も脂っこいものは控えると更に良いですね ♪
でも、目的によってはガイド付きツアーではダメな場合もありますね…
ガイド付きツアー以外で安全に遊ぶポイント
カヤックで言うとカヤックフィッシングなど、こだわりによってガイド付きツアーでない方が良いこともあるかもしれません。
そんな、ご自身でマリンレジャーをする時のポイントです。
1.ガイド付きツアーで安全に遊ぶためのポイントは、ご自身でマリンレジャーする時もしっかり守りましょう!
2.知識と技術をしっかり身につけてから遊びましょう
3.必要な器材をしっかり準備しましょう(細かくは後で)
4.遊ぶ場所にあった器材を使いましょう(これも細かくは後ほど)
5.天候、海況を、慎重に判断してください(これも後ほど)
6.一人で海に行かない
一人で海に入らないのはもちろんですが、陸から観察している人も連れていきましょう(出来れば監視員がいる環境が安心です)
必要な器材って?
では、ご自身でマリンレジャーをする時のポイント3の「必要な器材をしっかり準備しましょう!」ですが、具体的に必要な器材ってなんでしょうか?
カヤックやSUPなどのパドルレジャーを例に、ご自身でする時に必要な器材を説明していきます。
カヤックやSUPの各部名称は以前の記事で紹介していますので、そちらをご覧ください。
1.パドル(カヤックフィッシングの場合はリーシュコードで流れ防止もしっかりと!)
2.予備パドル(SUPも含めパドルレジャーでは必須です)
ちなみに、パドルレジャーで救助要請では、「パドルが流されて帰れない」という要請が常に上位にあります。足漕ぎでも予備のパドルは持っていましょう。
3.フラッグなどの目印(動力船が通る可能性がある場所に行く場合は必須)
4.PFD(要はライフジャケットです パドルレジャーでは全て必須です)
5.携帯電話などの連絡手段(写真には写っていませんが… しっかり防水対策して持って行ってください)
6.浮力体(これも写真には写っていませんが、インフレータブルのSUPなどではSUP以外の浮力体が必須)
ツアーでガイドは、乗るものがインフレータブルでなくても浮力体を必ず持って行きます。
遊びによって、必要な器材って結構あるんです。
必要なだけでなく、意外と知らない正しい使い方もあります。(だから知識や技術が必要なのです!)
例えば、パドルレジャー以外でも、スノーケリングでフィンを履かないとか、スノーケリングジャケット(ライフジャケット)着ないとか、裸足で富士山に登るようなもので、もってのほか!
ゴーグルにスノーケルを付けるなんてことも、危険な行為にあたります。
しっかり、知識と技術を身につけた上で、必ず事前チェックして忘れ物がないようにしましょう!
遊ぶ場所にあった器材って?
では、ご自身でマリンレジャーをする時のポイント4の「遊ぶ場所にあった器材を使いましょう!」ですが、具体的に遊ぶ場所にあった器材ってなんでしょうか?
平地でウォーキングする時と、山でハイキングするとき、富士山に登る時、それぞれ装備が異なります。
もちろん、マリンレジャーでも同じことが言えます。
スノーケリングのフィンを例に、ご自身でする時に遊ぶ場所にあった器材を例として説明していきます。
写真は全て同じメーカー(ブランドは2種)のフィンなんです。実は、器材にもいろいろな種類があります。
まずは、一般的に専門店以外でよく見るフィンです。 いわゆる軽量コンパクトフィンですね。
このフィンで遊ぶのは、頑張って泳ぐ必要がない場所です。
例えば、クラゲネットの中とか、監視員がいて足がつく範囲内などで使う程度のものです。
次に、専門店では初心者向けとして見るフィンです。 ガイド付きツアーではレンタルの器材としてよく見かけます。
このフィンで遊ぶのは、やはり頑張らなくても戻って来られる範囲です。
インリーフは絶対。クラゲネットでなくても、監視員がいなくても、それに準じたくらいの場所で使う程度のものと考えてください。
そして、専門店ではスタンダードとして見るフィンです。 要は、一般的に自身でスノーケリングができる方の中で標準レベルのフィンです。
これくらいでスタンダードですから、初めてクラゲネットの中、監視員がいる、またそれに準じる環境から少し出られる程度だと思って下さい。
それでもインリーフで、流れ、波、うねりがない場所です。(流れ、波、うねりががわからなければ、やはりクラゲネットや、監視員がいる、またはそれに準じたくらいの場所で使って下さい)
それ以上は、やはりガイド付きでお願いします。
もちろん、フィン以外でも、さらに言えばスノーケリング以外でも、それぞれいろいろな種類があります。
ご自身で遊ぶ場所にあった器材を選び、使わなければ、浜に戻れないなどの事故につながる原因となります。(戻れない事故はパドルレジャー以外でも多いんです)
天候・海況の判断基準は?
最後に、ご自身でマリンレジャーをする時のポイント5の「天候、海況を、慎重に判断してください!」ですが、どのように判断すれば良いのでしょうか?
最初にも書きましたが、ガイドさんはその場所の、風、波、うねり、流れ、潮の干満、過去のトラブル事例などを材料にして、ポイントやコースを決めています。
それらがガイド同様に適切に判断できたり、現場で周囲の状況を見て風や波、うねりの大きさなど予測・判断ができるのであれば(勉強しトレーニングを受けたガイドでも新人当初はなかなか…)そのポイントに合った判断をしていただければ良いのですが、それができないのであれば、一律で気象庁の予報(その場所でなく、島全域の予報)などで判断していただくしかありません。
そんな時、以下くらいで一律海に出るのはやめておく、または監視員のいる(正式な監視員だけですよ…)場所のみで楽しんで頂くのが、安全だと言えると思います。
気象庁のページは以下でご確認ください。
1.風:気象庁で「やや強く」(10m以上)なら海に行かないようにしましょう!
風向きで海のコンディションは変わりますが、それが判断できない方は7m吹く予報なら海に行かないようにするか、監視員のいる海で監視員の指示に従って遊びましょう。
2.波:気象庁で「1m」を超えるようならやめておくか、監視員のいる海で監視員の指示で遊びましょう!
ちなみに、宮古島で正式に監視員がいる海は2カ所のみ(2023年7月28日現在 公安委員会登録済みは3カ所ですが1か所はお休み中)で、与那覇前浜(宮古島東急ホテル&リゾートの前)とトゥリバー地区のみやこサンセットビーチ(ヒルトン沖縄宮古島リゾートの前)のみです。
他は責任のある正式な監視員ではありませんので、間違わないようにしましょう。
そして、皆さんが、安全なマリンレジャーで、楽しい思い出と共に笑顔でお家まで帰ってもらえることを心から願っています。